当時、ドイツをはじめとしたヨーロッパでは古くから伝承されている植物療法が盛んに行われており、化粧品にも多く応用されていました。ところが、その頃の日本において、植物と化粧品の関係についてはまだまだ未知の分野。化粧品の成分としては、ほとんど活用されていない状態だったのです。
美肌を育む自然の計り知れないちからを日本の人たちにも届けたい。それは、創業者である現株式会社ノエビアホールディングス代表取締役会長 大倉 昊の願いでした。その想いから、私たちはそれまでの化粧品研究をベースに、当時としては珍しい植物成分を配合した化粧品の開発をスタートさせたのです。
株式会社ノエビア相談役最高顧問を務めた鈴木 一成博士がドイツを訪れ、情報を収集するとともに国内での開発を指揮しました。目指すのは、植物の恵みを取り入れること、さらに、すっととけ込むような使い心地と高い安全性と。それは、まさに革新的ともいえる挑戦だったのです。
そして、1978年、ノエビア初のハーバルスキンケア・ノエビア80が誕生しました。植物エキスを配合した純国産の化粧品であること、肌にとって安全であること。そのこだわりの姿勢は当時、多くの女性に強く支持され、ノエビアの化粧品は、瞬く間に日本の女性たちの間に広まっていったのです。
“自然を科学する”こだわりの拠点として、ノエビアは1982年に、美しい水に恵まれ、日本の薬草の産地として知られる滋賀の土地に、研究所と工場を完成させました。
さらに、北海道の暑寒別岳にパイロットファームも設立。それは、より多くの植物の有用性や安全性を自らが解明し、そのゆるぎないちからを的確に商品に生かすために。これまでに調べ上げた植物エキスは2500種類に及びます。
日本国内はもちろん、世界の秘境といわれる土地にいたるまで、研究者自ら足を運び、植物を採取し、徹底的に調べ上げる。それは、脈々と受け継がれる植物研究のパイオニアとしてのこだわりです。